2026 9/25

「うちも相続税がかかる?」相続税はいくらから?基礎控除を分かりやすく解説

コラム

2026年9月25日

「うちも相続税がかかる?」相続税はいくらから?基礎控除を分かりやすく解説

親や配偶者などから財産を相続したとき、「相続税はいくらからかかるの?」「うちの場合も相続税を払う必要がある?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

特に、実家などの不動産を相続する場合は、預貯金だけでなく土地や建物も相続財産に含まれるため、相続税がかかるかどうか分かりにくいものです。

相続税には、一定額まで税金がかからない「基礎控除」があります。基礎控除額は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)で計算します。

今回は、「相続税はいくらからかかるの?」という疑問について、基礎控除の計算方法や具体例、申告が必要になるケースなどを分かりやすく解説します。

相続税は「3,000万円」からかかるわけではありません

「相続税は3,000万円を超えるとかかる」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

しかし、これは正確な説明ではありません。

相続税には「遺産に係る基礎控除額」があり、次の計算式で求めます。

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

つまり、法定相続人が何人いるかによって、相続税がかからない範囲が変わります。

例えば、法定相続人が3人いる場合は、

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

となります。

この場合、相続税の計算上の「正味の遺産額」が4,800万円以下であれば、原則として相続税の申告・納税は必要ありません。

法定相続人とは?

法定相続人とは、民法で定められている相続人のことです。

被相続人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の親族には相続順位があります。

基本的には、次の順番です。

  • 第1順位:子
  • 第2順位:父母などの直系尊属
  • 第3順位:兄弟姉妹

例えば、亡くなった方に配偶者と子ども2人がいる場合、法定相続人は3人となります。

※養子がいる場合などには、相続税の計算上の「法定相続人の数」に一定のルールがあります。

この場合の基礎控除額は、

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

です。

「財産が4,800万円ある=相続税がかかる」ではない

ここも相続税を考えるうえで重要なポイントです。

例えば、法定相続人が3人で、相続した財産の合計が4,800万円だったとします。

この場合、「4,800万円だから相続税がかかる」と考えるのではありません。

相続税の計算では、相続した財産の価額だけでなく、非課税財産、債務、葬式費用、一定の贈与財産なども考慮して課税価格を計算します。

そのため、財産の総額=そのまま相続税の対象となる金額ではありません。

相続税では、相続した財産だけでなく、一定の生命保険金などのみなし相続財産や、相続時精算課税の対象となった贈与財産、一定の生前贈与なども計算に含まれる場合があります。一方、非課税財産や一定の債務、葬式費用などは差し引いて計算します。

例えば、被相続人に借入金などの債務があった場合、一定の要件を満たすものについては相続財産から差し引くことができます。また、一定の葬式費用も差し引くことができます。

相続税がかかるかどうかは「基礎控除額」と比較する

相続税がかかるかどうかを考えるときは、まず、

「正味の遺産額」と「基礎控除額」を比較します。

国税庁によると、正味の遺産額が基礎控除額を超える場合、相続税がかかり、原則として相続税の申告・納税が必要になります。

反対に、正味の遺産額が基礎控除額の範囲内であれば、原則として相続税の申告・納税は必要ありません。

具体例で確認してみましょう

※ここでいう「正味の遺産額」は、相続税の計算上の正味の遺産額を指します。

ケース1:正味の遺産額が4,000万円の場合

例えば、

  • 法定相続人:3人
  • 正味の遺産額:4,000万円

だったとします。

法定相続人が3人なので、基礎控除額は、

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

です。

正味の遺産額は4,000万円なので、

4,000万円<4,800万円

となります。

このケースでは、正味の遺産額が基礎控除額を下回っているため、原則として相続税はかかりません。

ケース2:正味の遺産額が6,000万円の場合

次に、

  • 法定相続人:3人
  • 正味の遺産額:6,000万円

だった場合を考えてみましょう。

基礎控除額は4,800万円なので、

6,000万円>4,800万円

となります。

この場合、正味の遺産額が基礎控除額を超えているため、原則として相続税の申告・納税が必要になります。

ただし、

6,000万円-4,800万円=1,200万円

が、そのまま相続税額になるわけではありません。

相続税は、基礎控除を超えた金額だけを単純に税率を掛けて計算する仕組みではありません。

相続税は、まず「法律で決められた相続割合で財産を分けた」と仮定して、全体でいくら相続税がかかるのかを計算します。その後、実際に誰がどれだけ財産を相続したのかに応じて、それぞれの税額を計算します。

実家や土地を相続した場合はどう考える?

相続税を考えるときに注意したいのが「不動産」です。

相続財産には、次のようなものが含まれます。

  • 預貯金
  • 株式などの有価証券
  • 土地
  • 建物
  • その他の財産

そのため、親から実家を相続した場合には、預貯金だけを確認して「相続税はかからない」と判断することはできません。

土地や建物についても、相続税の計算上の評価額を確認する必要があります。

購入時の価格がそのまま相続税評価額になるわけではありません

例えば、「親が昔2,000万円で購入した土地だから、相続税の計算でも2,000万円」というように、購入時の金額をそのまま使うわけではありません。

不動産には相続税の評価方法があるため、土地や建物を相続する場合は、その評価についても確認することが大切です。

特に実家などの不動産を相続する場合は、「相続税がかかるか」だけでなく、「相続した不動産を今後どうするか」まで考えておくことが重要です。

生命保険金にも注意しましょう

相続では、預貯金や不動産だけでなく、生命保険金が関係することもあります。

被相続人が保険料を負担していた生命保険金などは、相続税の課税対象となる場合があります。

一方、一定の要件を満たす場合には、相続人が受け取った死亡保険金について、

500万円×法定相続人の数

で計算した金額まで非課税となる制度があります。

例えば、法定相続人が3人であれば、

500万円×3人=1,500万円

が非課税限度額となります。

ただし、誰が保険金を受け取ったのかなどによって取り扱いが異なるため、生命保険金がある場合は個別に確認する必要があります。

借入金や葬式費用はどうなる?

相続した財産だけでなく、被相続人が残した借入金なども確認しましょう。

相続税の計算では、一定の債務について遺産総額から差し引くことができます。

また、葬式費用についても、一定の範囲で遺産総額から差し引くことができます。

そのため、相続が発生したら、

「何を相続したか」だけでなく、

「どのような債務があるか」

「葬式費用はいくらかかったか」

についても整理しておくことが大切です。

相続税が0円でも申告が必要になる場合がある

ここは特に注意しておきたいポイントです。

相続税の計算上、特例を利用することで最終的な相続税額が0円になるケースがあります。

しかし、「相続税が0円=必ず申告不要」とは限りません。

例えば、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」などを利用することで税額が0円になる場合でも、その特例を適用するために申告が必要となるケースがあります。

「税金が0円になりそうだから申告もしなくていい」と自己判断せず、特例を利用する場合には申告の要否を確認することが大切です。

相続税の申告期限は10か月以内

相続税の申告・納税が必要な場合には、期限にも注意しましょう。

原則として、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内

に申告・納税を行う必要があります。通常は、被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内と考えます。

相続が発生すると、次のようなさまざまな手続きを進めなければなりません。

  • 相続人の確認
  • 遺言書の確認
  • 財産の調査
  • 不動産の評価
  • 預貯金の確認
  • 借入金などの確認
  • 遺産分割

国税庁も、相続税の申告準備として、相続人の確認、遺言の有無、遺産と債務の確認、遺産の評価、遺産分割などが必要と案内しています。

「まだ時間がある」と思っていると、あっという間に期限が近づいてしまうこともあります。

相続財産が多い場合や不動産が含まれる場合は、早めに財産を整理しておきましょう。

「うちも相続税がかかる?」まずは5つを確認

相続税がかかるかどうかを確認するために、まず次の5つを整理してみましょう。

1.法定相続人は何人いる?

基礎控除額を計算するために必要です。

2.預貯金はいくらある?

銀行口座などを確認します。

3.不動産はいくらくらいになる?

土地や建物など、相続した不動産について評価額を確認します。

4.借入金などの債務はある?

住宅ローンやその他の借入金など、被相続人が残した債務を確認します。

5.生命保険金や過去の贈与はある?

生命保険金や一定の贈与財産など、相続税の計算に関係する財産についても確認が必要です。

この5つを整理すると、自分の家族の場合に相続税がかかる可能性があるのか、ある程度把握しやすくなります。

相続税が心配になったら、早めに財産を整理しましょう

相続税について調べ始めると、「3,000万円」「基礎控除」「法定相続人」「配偶者の税額軽減」「小規模宅地等の特例」など、普段聞き慣れない言葉がたくさん出てきます。

さらに、実家や土地などの不動産がある場合は、財産の評価についても確認しなければなりません。

だからこそ、相続が発生してから慌てるのではなく、

「誰が相続人になるのか」

「どのような財産があるのか」

「不動産はいくらくらいになるのか」

「借入金などの債務はあるのか」

を一つずつ整理することが大切です。

相続税の申告が必要かどうか、特例を利用できるかどうかなど、税務上の判断については税理士などの専門家への相談も検討しましょう。

まとめ|「相続税がかかるか分からない」ときは、まず基礎控除を確認

相続税には基礎控除があり、その金額は、

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

で計算します。

例えば、法定相続人が3人なら基礎控除額は4,800万円です。

ただし、相続税がかかるかどうかは、単純に「預貯金+不動産」の金額だけで判断するものではありません。

非課税財産や債務、葬式費用、一定の贈与財産などを考慮して課税価格を計算する必要があります。

また、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、相続税の負担を軽減できる制度もありますが、適用にはそれぞれ要件があります。

「うちも相続税がかかるのかな?」と思ったら、まずは法定相続人の人数と相続財産を整理するところから始めてみましょう。

そして、実家や土地などの不動産を相続する場合は、税金だけでなく、その不動産を今後どうするのかについても早めに考えておくことが大切です。

相続や不動産のことで「何から始めればいいか分からない」という場合は、一人で抱え込まず、専門家に相談することも選択肢の一つです。

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