2026 10/20

相続税の節税対策「一代飛ばし」とは?孫に財産を引き継ぐメリット・注意点を解説

コラム

2026年10月20日

相続税の節税対策「一代飛ばし」とは?孫に財産を引き継ぐメリット・注意点を解説

「自分が亡くなった後、子どもだけでなく孫にも財産を残してあげたい」

「相続税の負担を少しでも抑える方法はないだろうか?」

このようなお悩みをお持ちではありませんか?

相続税の節税対策の一つとして、「一代飛ばし」と呼ばれる方法があります。これは、祖父母から子どもへ、さらに孫へと財産を引き継ぐのではなく、祖父母から孫へ直接財産を引き継ぐ方法です。

財産を引き継ぐ回数を減らすことで、相続税の負担を抑えられる可能性があります。しかし、孫が財産を取得する場合には相続税が2割加算されることがあるなど、注意したいポイントもあります。

1.相続税対策で注目される「一代飛ばし」とは?

一代飛ばしとは祖父母から孫へ直接財産を引き継ぐこと

一代飛ばしとは、一般的に、祖父母から子どもへの相続を経由せず、孫へ直接財産を引き継ぐことをいいます。「世代飛ばし」と呼ばれることもあります。

通常、財産は次のように引き継がれます。

  • 祖父母が亡くなったときに、子どもが財産を相続する
  • その後、子どもが亡くなったときに、孫が財産を相続する

この場合、財産の内容や相続税の課税関係によっては、世代が変わるたびに相続税が発生する可能性があります。

一方、一代飛ばしでは、祖父母が生前に贈与したり、遺言によって孫に財産を遺贈したりすることで、子どもの世代を経由せずに財産を引き継ぐことを目指します。

ただし、一代飛ばしをすれば必ず相続税が安くなるわけではありません。

財産の総額や種類、相続人の人数、孫が財産を取得する方法などによって税負担が変わるため、事前の検討が大切です。

一代飛ばしで相続税を抑えられる可能性がある理由

一代飛ばしが節税対策として検討される理由の一つは、祖父母から子ども、さらに孫へと財産を引き継ぐ場合に比べ、世代間で財産を移転する回数を減らせる可能性があるためです。

例えば、祖父母から子どもへ財産を相続し、その後、子どもから孫へ財産を相続する場合、それぞれの相続で相続税が発生することがあります。

一方、祖父母から孫へ直接財産を引き継げば、子どもの世代での相続を経由せずに財産を渡すことができます。

ただし、相続税の負担は、財産の金額や相続人の人数、各種控除、孫に適用される相続税の2割加算などによって異なります。

そのため、一代飛ばしを行うことで必ず節税できるとは限りません。実際にどの程度の税負担になるかは、家族構成や財産の状況を踏まえて比較することが大切です。

2.一代飛ばしを活用する3つのメリット

一代飛ばしには、相続税の負担を抑えられる可能性以外にも、財産を次の世代へ引き継ぐうえでのメリットがあります。

メリット1.相続税の課税機会を減らせる可能性がある

一代飛ばしの大きなメリットは、財産が子どもから孫へ引き継がれる段階を省略できることです。

例えば、祖父母が所有する預貯金や不動産を子どもに相続させ、その後に子どもが亡くなって孫が相続する場合、財産の状況によっては2回の相続で税金が発生します。

一方、祖父母から孫へ直接財産を引き継げば、子どもの世代での相続を経由せずに財産を渡せます。

ただし、実際の税負担は、各相続での財産額や基礎控除、税額控除などによって異なります。2割加算も考慮したうえで比較する必要があります。

メリット2.孫の教育費や住宅取得など、将来の計画を支援できる

孫が進学や就職、結婚、住宅購入などを控えている場合、財産を早い段階で引き継ぐことで、将来の生活を支援できる可能性があります。

例えば、孫が大学への進学を希望している場合や、将来的に住宅を購入したいと考えている場合などです。

ただし、教育費や住宅取得に関する贈与には、それぞれ異なる税制上のルールがあります。贈与税がかからないと一律に判断せず、贈与の目的や金額、受け取る時期などを確認しましょう。

メリット3.生前から財産の引き継ぎ方を考えられる

一代飛ばしを検討することは、ご自身が築いてきた財産を誰に、どのような形で引き継ぎたいのかを考えるきっかけにもなります。

例えば、次のような希望がある方もいらっしゃるでしょう。

  • 孫の将来のために財産を残したい
  • 自宅や土地を将来誰に引き継ぐか決めておきたい
  • 相続が発生した後に家族が困らないように準備したい
  • 子どもや孫に財産を引き継ぐ際のトラブルを防ぎたい

相続対策は、税金だけを考えて進めるものではありません。ご自身の希望を整理し、家族が納得できる形を考えておくことも大切です。

3.一代飛ばしを検討する際に知っておきたい3つの注意点

一代飛ばしにはメリットがある一方、事前に確認しておきたい注意点もあります。

注意点1.孫には相続税が2割加算される場合がある

一代飛ばしを検討するうえで、特に注意したいのが相続税の2割加算です。

相続税法第18条では、原則として、被相続人の配偶者および一親等の血族以外の人が相続や遺贈によって財産を取得した場合、その人の相続税額に20%相当額が加算される仕組みが定められています。

そのため、祖父母から孫へ遺言によって財産を遺贈する場合、孫は原則として相続税の2割加算の対象となります。

また、祖父母の養子となった孫についても、原則として2割加算の対象です。

ただし、孫が親の代わりに相続人となる代襲相続の場合は、2割加算の対象外となります。

このように、孫への財産の引き継ぎでは、相続税の2割加算が適用されるかどうかを確認することが重要です。

注意点2.生前贈与では贈与税がかかる可能性がある

さらに、相続税の計算では、被相続人から生前に贈与された財産が、一定の条件のもとで相続税の課税価格に加算される制度があります。

暦年課税による生前贈与については、相続や遺贈などによって財産を取得した人が、被相続人から一定期間内に贈与を受けていた場合、その贈与財産が相続税の計算に加算されることがあります。

2026年12月31日までに相続が開始した場合、加算対象期間は原則として相続開始前3年以内です。2027年以降は段階的に対象期間が延長され、2031年以降に相続が開始した場合は、原則として相続開始前7年以内となります。

ただし、加算の対象となるのは、原則として、その被相続人から相続や遺贈などによって財産を取得した人です。また、贈与の種類や適用される特例によって取扱いが異なる場合があります。

そのため、生前贈与を検討する際は、贈与税だけでなく、将来の相続税への影響も含めて確認することが大切です。

注意点3.子どもの生活資金や家族間の公平性にも配慮する

一代飛ばしを検討する際には、税金だけでなく、財産を渡す側と受け取る側の生活にも目を向ける必要があります。

例えば、祖父母が孫へ多額の財産を引き継いだ結果、祖父母自身の老後資金が不足してしまっては本末転倒です。

また、子どもが親の介護費用や生活費を負担している場合などには、孫へ財産を直接渡すことで、家族間の理解が得られない可能性もあります。

財産の引き継ぎ方を考える際には、次の点を整理しておくとよいでしょう。

  • ご自身の老後資金や介護費用は十分に確保できているか
  • 子どもや孫の生活状況を把握しているか
  • 財産を渡す理由や希望を家族に説明できるか
  • 将来、家族間でトラブルが起こる可能性はないか

財産を誰にどの程度引き継ぐかは、ご家庭によって異なります。家族の状況を踏まえながら、無理のない方法を考えましょう。

4.一代飛ばしを実現する主な方法

一代飛ばしを検討する場合、主に生前贈与や遺言による遺贈などの方法があります。それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。

方法1.生前贈与によって孫へ財産を渡す

生前贈与は、祖父母が存命中に、孫へ預貯金などの財産を贈与する方法です。

贈与する時期や金額を検討できるため、孫の進学や住宅購入など、具体的なライフイベントに合わせて支援できる場合があります。

ただし、贈与税が発生する可能性があるほか、贈与の内容によっては将来の相続税の計算にも影響します。

贈与を行う場合は、贈与する人と受け取る人の双方が贈与の内容を理解し、実際に財産が移転したことを確認できるようにしておくことが重要です。

方法2.遺言書で孫に財産を遺贈する

祖父母が亡くなった後に孫へ財産を引き継ぎたい場合、遺言書を作成し、孫に財産を遺贈する方法があります。

遺言書を作成することで、ご自身の希望に沿った財産の引き継ぎ方を明確にできる可能性があります。

ただし、孫は通常、祖父母の法定相続人ではありません。孫に財産を渡すには、遺言の内容や法的な要件を確認する必要があります。

また、遺留分など、ほかの相続人の権利にも配慮しなければなりません。

遺言書を作成する際は、財産の内容や相続人の関係を整理したうえで、適切な方法を検討しましょう。

方法3.家族の状況に合わせて複数の対策を組み合わせる

一代飛ばしは、必ずしも単独で行う必要はありません。

例えば、子どもに必要な財産を確保したうえで、孫には生前贈与や遺言によって財産を引き継ぐ方法を検討することもできます。

ただし、対策を組み合わせれば必ず節税効果が高まるわけではありません。

財産の種類や金額、家族構成によって適切な方法は変わります。相続税や贈与税の試算が必要な場合は、税理士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

5.小牧市・春日井市で相続対策を始めるなら、早めの相談がおすすめ

小牧市や春日井市にお住まいで、相続対策について考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

相続では、預貯金だけでなく、自宅や土地などの不動産が財産の大きな割合を占めるケースもあります。

不動産を誰に引き継ぐかによって、相続後の管理や売却、家族間の話し合いなどにも影響する可能性があります。

小牧市・春日井市で相続対策を考える際は、預貯金だけでなく、自宅や土地などの不動産についても整理しておくことが大切です。

不動産を相続する場合、相続税の計算に用いる評価額や、誰が取得するかによって、相続後の負担や管理方法が変わることがあります。

特に、孫に土地や自宅を引き継ぎたいと考えている場合は、財産の評価や将来の管理方法なども含めて、早めに検討しておきましょう。

ラストコンシェルジュでは、相続・遺言に関するご相談をお手伝いします

一代飛ばしによる相続税対策を検討する際には、税金の仕組みだけでなく、遺言書の作成や財産の引き継ぎ方など、さまざまな点を考える必要があります。

「孫に財産を残したいけれど、何から始めればよいか分からない」

「遺言書を作成した方がよいのか知りたい」

「自宅や土地を将来誰に引き継ぐか考えておきたい」

このようなお悩みがある方は、早めに相談してみてはいかがでしょうか。

ラストコンシェルジュでは、行政書士の専門性を生かし、相続や遺言に関する手続きについて、状況に応じたご相談をお手伝いします。

行政書士は、遺言書や遺産分割協議書などの書類作成をはじめ、法律で認められた範囲で相続に関する手続きを支援する専門家です。

なお、相続税額の具体的な計算や申告など、税理士の専門業務に当たる内容については、税理士への相談が必要です。内容に応じて適切な専門家に確認しながら進めることが重要です。

相続について考え始めた段階でも、相談することは決して早すぎません。

ご自身の希望を整理し、ご家族が安心して財産を引き継げるように、ラストコンシェルジュと一緒に準備を始めてみませんか。

まとめ|一代飛ばしは家族全体の相続を考えて判断しましょう

一代飛ばしは、祖父母から孫へ直接財産を引き継ぐことで、相続税の負担を抑えられる可能性がある方法です。

一方で、孫が財産を取得する場合には相続税の2割加算が適用されることがあり、生前贈与では贈与税や相続税の計算に注意する必要があります。

大切なのは、節税だけを目的にするのではなく、ご自身の老後資金や子どもの生活、孫の将来、家族間の公平性などを含めて考えることです。

小牧市・春日井市で相続や遺言についてお悩みの方は、早めに財産の状況を整理し、必要に応じて行政書士や税理士などの専門家へ相談してみましょう。

ラストコンシェルジュでは、相続や遺言に関するお悩みを整理し、安心して将来の準備を進められるようお手伝いします。

「まだ具体的に決まっていない」という段階でも、まずはお気軽にご相談ください。